今回は、参考書と過去問題集のどちらが重要か?
について考えてみることにする。
電験の勉強をするにあたって「電験参考書と過去問題集のどちらかしか使用してはいけない」という状態ならどちらを選ぶべきか?
このような二肢択一があったら、迷わず過去問題集を選ぶことを勧める。
究極的なことを言ってしまえば、参考書の内容は大して理解していなくても、問題さえ解ければ試験は合格できるからだ。
参考書では、公式や法則等の理屈について解説されているが、
理屈を知らなくても、表面的なことさえ知っていれば解ける問題は多い。
例えば、「通電中にCT(計器用変流器)の2次側を開放してはいけない」という内容の問題は頻繁に出題されるが、
通電中にCTの2次側を開放してはいけないということだけ覚えていれば正解できることが多い。
電験の試験では詳しい理屈を知らなくても得点できる
電気技術者としては、なぜCTの2次側を開放してはいけないのか、その理屈を理解する必要があるが、
試験に合格することだけを考えれば、理屈を知らなくてもその事実だけを知っていれば合格できる。
過去問を繰り返し解くと、「CTの2次側を開放してはいけない」という内容の問題が繰り返し出題されていることがわかるので、これは重要だと理解することができる。
もし、参考書だけしか勉強していないと、どこが重要か、どこが出題されるのか? という傾向が見えてこないので、満遍なく均等に全ての内容を勉強することになる。
つまり、参考書の勉強だけでは問題を解く能力に欠ける。
公式を使いこなせるか
また、参考書には公式がたくさん載っているが、
実際に公式を使って多くの問題(過去問)を解かなければ、その公式を使いこなせるようにはならない。
参考書には公式についての説明がのっているが、その説明を何回も読み込んだところで、問題を解けるようにはならない。
そう考えると、過去問題集のほうが重要だということがわかると思う。
極端なことを言うと、当面の目標は合格点を取ることなので、試験に出題されない部分について勉強する必要はないと言える。
目標は電験に合格することで、参考書の内容を理解することではない
電験三種の勉強量は膨大で覚える公式や法則、原理等はとても多い。
電気技術者になるためには、その全てを理解することが理想だが、とりあえずの目標は合格することだ。
であれば、合格するためにはどう勉強したらいいのか?
ということが見えてくると思う。
当たり前だが、頻繁に出題される箇所は重点的に勉強する。
出題頻度の低いものは力を抜く。
合格するためには、このさじ加減も重要になる。
電験参考書はさっと読み、過去問題集へと進む
以上のことを踏まえると
まずは電験参考書を一通り読む。
このとき、参考書の内容を完璧に理解する必要はない。
また、一度読んだだけでは理解できない箇所があると思うが、深追いはしない。
参考書を読み終えたら、後は過去問題集を使った勉強に切り替える。
そして、問題でわからないところが出てきたら、そこで参考書を取り出して読み直す。
次のような流れで勉強を進めるといいだろう
電験参考書を一通り読む (もう一度読みたい人は、もう一度読む)
↓
過去問題集を解く
↓
わからないところは、参考書を読み直す
↓
過去問題集を解く(2回目)
↓
わからないところは、再び参考書を読み直す
↓
過去問題集を解く(3回目)
↓
わからなければ、再度参考書を読み直す
・
・
・
あとは、この繰り返しになる。
一つ問題なのは、電験参考書の内容が難しくて理解できなければさっと読み進めることはできない。
そう考えると、参考書は自分のレベルに合ったものを選ぶ必要があるということだ。
参考書と過去問題集のどちらが重要か? という問いに対しては、
過去問題集のほうが重要というのが、ここでの結論になる。
もちろんこれが唯一の正解ではない、勉強の進め方も人それぞれあるだろう。
そこは臨機応変に対応する必要がある。