電験の受験資格は?
電験三種について興味を持った人が最初に気になることは、
その 受験資格 ではないだろうか 。
驚くことに電験三種には、受験資格は特にない。
つまり年齢、学歴、実務経験を問わず、誰でも受験することができる
(ちなみに、受験申し込みは5月頃、試験日は9月の第一日曜日)
したがって、電気のことを全く知らない人間でも受けることができる。
合格した者には免状が交付されるが、免状の交付にも実務経験は必要ない。
つまり、試験にさえ合格できれば電気主任技術者に任命されることも可能だ。
実務経験がなくとも、電気主任技術者に任命されれば高圧電気設備の保安監督業務につくことができるわけだ。
ニ種と一種は?
電験三種という名称からわかると思うが、電験にはニ種と一種も存在する (四種はない)。
そして、この2つも受験資格はなく、誰でも受けられる。
なので、三種を受けずに、いきなりニ種や一種を受験することも可能だ。
しかし、電気のことを良く知らない人間が、いきなりニ種や一種を受けても合格できないので、まずは三種から受験するだろう。
電験に受験資格がない理由は・・?
電験には、なぜ受験資格がないのか?
これは、電気技術者試験センターの立場に立って考えると見えてくる。
受験資格として実務経験が必要な場合、受験者は「実務経歴書」を提出することになる。
(受験資格として学歴が必要な場合は「卒業証明書」を提出する。)
そうなると、試験センターは実務経歴書や卒業証明書の審査をしなければならない。
もし書類に不備があれば、「再提出」もしくは、「経験(学歴)不足のため受験資格なし」という旨を受験者に連絡しなければならない。
やることが多くなる
つまり、「事務処理の煩わしさを避けるため」に実務経験不問にしているのではないか。
ということが推測できる。
もう一つの理由は?
もう一つの理由としては、「受験者数の確保」があげられる。
誰でも受験できるのであれば、当然受験者数は増える。
逆に、学歴や実務経験などの資格制限を設けると受験できない者も出てくるから、当然、受験者数は減ってしまう。
受験者数が減ると困るのは誰か?
それはもちろん、試験を実施している「電気技術者試験センター」だ。
試験センターの財源は受験料によるものが大きいので、受験者数が減ることは試験センターとしては好ましくない。
このように考えると、受験資格に制限を設けることには、試験センター側としては何のメリットもないことがわかる。
あくまでも邪推であるが、意外と的を得ているかもしれない。
相手の立場に立つと見えてくること
世の中、色々と疑問に思うことはあるだろうが、相手の立場に立って物事を見る、または、別の側面から物事を見ることで、わかってくることは多い。
意味がないと思うかもしれないが、このようなことは、実際に試験に役立つこともある。
電験の試験問題は五択だ。
『次の中から正しいもの (誤っているもの) を選べ』 というタイプの文章問題が多いが、「何を答えさせたいのか?」「どの設問がひっかけなのか?」ということは、相手 (問題制作者) の立場に立ってみるとわかることもある。
普段から色々なことについて考え、頭を働かせていれば、試験(電験)に対しても多少有利になれる・・・かもしれない。
次に読みたい記事