昔からある代表的な電験参考書「これだけシリーズ」のレビューをしてみる。
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目次
各科目のページ数と価格/著者
出版社:電気書院
発行日:2019/10 (改訂後の発行日)
著者:4科目とも異なる
出版社の紹介文
以下、出版社の紹介文を引用する
電験第3種の問題を解くために必要な公式・重要事項をイラストを交えてやさしく説明した、これだけで合格できると評判の指導書。
「丁寧に、わかりやすく」という観点から、合格するためにはこれだけ覚えておけば十分、という事項だけを詳しく解説。
初版からは、出題傾向を見直し、新たな学習項目の追加、記述内容の一部変更、チャレンジ問題の多くを新しいものに差し替え、新分野の出題にも対応できるよう加筆・修正
[特長1]
各巻とも、最新の出題形式、出題範囲に準拠して出題問題を新しいものにしました
[特長2]
最新の出題傾向に則り、無駄を省き重要テーマに絞って解説しています
[特長3]
チャレンジ問題の解答解説では、解説をより詳しくしました
[特長4]
便利な索引を付けました
これだけシリーズの構成
参考書の構成は次のように例題から始まっている。
やさしい例題
↓
要点
↓
詳しい解説
↓
バイパス解説
↓
ここが重要
↓
チャレンジ問題
各章や項目の最初に例題を示して、その解法から解説をはじめていくというパターンは、電験以外の参考書でも散見される。
個人的な意見になるが、このパターンはあまり好きではない。
「まず 解説・説明 があり、その後に 例題」、このほうが親切に思える。
① 解説・説明 → 例題
② 例題 → 解説・説明
② のパターンは、すでに電気をかじったことのある人に向けた構成と言える。
電気をかじったことのある人なら、やさしい例題を提示されても なんとなく解けるだろう。
その後解説を読んで理解を深めるというパターンだ。
電気初心者の場合は、やさしい例題を示されても全くわからないので、例題は飛ばして解説を読む。
解説を読んだ上で、あらためて例題を見返して、理解を読み進めていく という流れになる。
つまり
①のパターン (説明 → 例題) なら、順番に読み進めていけば勉強が進むのに対して。
②のパターン (例題 → 説明) では、一度ページを戻らなければならないので、無駄が多い。
参考書に限らないが、前のページから順番に読みすすめていくのが使いやすいと思う。
他にも気づいた点を挙げてみよう
イラストが多く載っているが、電験の内容に関係ないものが多い点が気になる。
受験者をホッとさせる息抜きのためなのだろうが、
それなら、内容に関係ある図解を入れたほうが良いのではないかと思う、
どうだろうか。
これだけシリーズ参考書のレベル
その参考書が良書か悪書かは、その人の知識レベルによって全く変わってくる。
「これだけシリーズ」は、基本的に電気科卒レベルの内容。
中級者向けの電験参考書 になる。
まんがチックなイラストが多く載っているが、このイラストを見て初級者向けの参考書と思ったら大間違いで、初級者・初心者が最初にこの参考書で勉強を始めてしまうと、途中でつまずくので注意が必要だ。
しかし、中級者にとっては良い参考書だと言える。
また、初級者・初心者が2冊目に使う参考書としてはおすすめだ。
初心者が一冊目に使う参考書としては、「誰でもわかるシリーズ」「みんなが欲しかったシリーズ」がおすすめだが、それらを読了したあとに2冊目として購入する場合は、何ら問題はない。
どの電験参考書も「これ一冊で完璧・100点が取れる」という内容のものは少ないので、一冊目の参考書を補完する意味で2冊目の参考書を購入するのもありだ。
改訂について
電験三種受験者の裾野が広がり、電気科卒以外の受験者が増えたため、「内容が難しい」との声により、「ニューこれだけシリーズ」として改訂。
しかし、もともと中級レベルなので、その点は変わらない。
若干、初心者向けの解説が加えられた程度。
やはり、中級者レベルの参考書なので、
「電験三種受験者には難しすぎるのでは?」と思える内容も記載されている・・
ただし、中級者にとっては良い参考書と言えるだろう。
アマゾンレビュー
昔からある人気参考書なので、レビューの数はかなり多い
(理論)
以下、アマゾンレビューからの引用を載せておく
過渡現象のラプラス変換の解説が丁寧であった事が大きなプラス点ですね。(あまりラプラス変換を使わなくても、演習問題は解けますが^_^;)
事前の基本書の読了は必須と言えます。
全くの知識ゼロから始めるべき参考書ではありません。
初心者では無理です。初めて勉強するには解説が少なすぎる。
高校レベルの電気理論が解っていないところから始めるのには不十分なので 初めからこの本で勉強するのはやめなさい。
特に計算部分の省き方がひどく、どういう理論でその計算にたどり着いたのかの説明がないまま急に数式と答えが出てくるので、何故そうなるのか全く理解できないところが多々あります
問題ごとに必ずつまづきます。さらに解説も不親切なので理解に時間がかかりイライラが募り、かなりモチベーションが下がります。
解答が最後のページにあるが見ずらい
けっして悪い参考書ではないが、これ一冊だけで全てを理解することは難しい。他の参考書と併用する必要がある
不要なイラストがページの半分を占めていたりします。
途中の数式を省いている事も多々あり、大まかに理解するための最初の一冊としては良いです。
もう1冊、参考書として詳しい本を読むことをおすすめします。
最初はいい本だなと読み進めていたが交流のところでjθ乗とか言う訳のわからない単語が出てきてこの作者の受験生に対して簡単には電験3種を受からせないぞという気概を感じられた。難しい内容が、いきなりさらりと書いてあり、数式もかなり省略してある。
ネットで調べていると、電気について多少知っている人向けと書いてありました。いちおう工業高校卒ですが、専門用語を解説なしにバンバン使っていて、ほとんどネットで調べながらやってました。かなり電気に詳しい人向けかな?
初心者すぎると分からないようになっています。
計算の解説があるのですが、いきなり省かれたりしていてなぜそうなるのか分かりにくすぎますある程度知識のある人が理解を深めるにはいいかもしれませんが
初心者は買わない方がいいです。
まずこれは独学に向いていない、初学者にも向いていない。単語の説明がないし、公式の説明もわかりにくいと思う。
しかしネットでの評判はピカイチ!この本を理解できるレベルで合格って事なのかな・・・・?
電気理論をしっかりと理解させ、身につけさせる工夫がされていることです。わたしが受験したのは五年ほどまえのことですが、理論に関してじっさいいちばん参考になったのはこのテキストでした。公式の説明もすくなく、このテキストで大丈夫かと不安になったこともありましたが、けっきょく、ここに記述されていることをしっかり勉強したおかげで合格できたのだと思います。
このような読み物タイプの参考書があると非常に助かります。電験2種の受験にも効果がありました。
あまり良い本とは言えません。詳しく説明しているところと、そうでないところとむらがあり、ちょっと的が外れています。
これだけシリーズで3ヶ月で3科目合格出来ました。
高卒勉強嫌いでスタート。
この本は多少基礎が無い人には難しいと思いますが、電験の参考書の中では簡単な方です。
私はこの本がさっぱり理解出来ず、まずはこれだけ数学を一通りやりました。
その後にこの本を読むとかなり理解が得られます。
いろんなテキスト買いましたが結局このシリーズに落ち着きます。
チャレンジ問題を難しいと言う人もいますが過去問からの出題なのでレベルは高いのは仕方ないと思います。
唯一悪い点は出題頻度少の問題も充実してる点です。
真面目にやってると時間消耗してしまいます。
・・・説明がわかりにくい、問題の解説が難しいなど、以上のレビューからわかるように、初心者・初学者には向かない内容になっているようだ。
ただし、内容がやや高度なので中級者にはおすすめできる。
さらに、電験三種合格後に二種を目指す人にとっては良い内容と言えるだろう。
やはり、参考書の良し悪しは一概には決められない。
その人のレベルによって評価は大きく変わる。
例題(問題)の数
練習問題の数は比較的多く、標準的と言える。
ただし、中級者向けの参考書ということで、問題の解説が少ない。
計算の途中式などは、当然のように省かれている。
その点は、あてにしないほうがいいだろう。
また、問題を解いた後に解答・解説を見ようと思っても、解説が巻末にあるので、なかなか見つからずにイライラするという点もある。
これだけシリーズで勉強を進めるなら、参考書の練習問題はあてにせず、問題は過去問題集で解くというスタイルがおすすめになる。
例題の数は十分あるが、解説は詳しくないと理解しておくのが良い。
結論
出版社の紹介文にもあるように、新しく生まれ変わったことを強調している。
確かに、昔のこれだけシリーズに比べると わかりやすい説明が新たに加えられたり、最近の出題傾向に沿った内容も追加されたりしている。
中級レベル以上の人にはおすすめできる参考書と言えるだろう。