今回も昔からある電験三種参考書、完マスの愛称で親しまれている「完全マスター 電験三種受験テキスト」のレビューをしてみる。
各科目のページ数と価格/著者
出版社:オーム社
発行日:初版 2008年発行 改訂3版~4版 2019年 3月~4月 発行
著者 : 4科目とも異なる
初版の発行日は2008年と古いが、2019年に改訂を行っている。
出版社の紹介文
出版社の紹介文を引用する
2008年発行の「完全マスター電験三種受験テキスト」シリーズの改訂3版~4版です。
今回の改訂では、2014年以降の問題を新たに分析して、新傾向問題を取り込み、頻出事項を網羅しています。
また、重要なポイントの解説を強化するとともに、各節ごとの例題に関しても、解き方のポイント、考え方、公式の使い方等の説明を充実させていますので、読者の理解がより深まる内容構成としています。
改訂を行って内容を刷新していることを強調している。
完全マスター シリーズの構成
説明・解説
↓
例題
説明・解説
↓
例題
・
・
・
章末練習問題
説明・解説 ⇒ 例題 と続き、章の最後に
電力に関して言えば、かなり詳しい解説が載っていて好感が持てる。
完全マスター電験三種受験テキストの内容について
このシリーズも古くからある電験参考書で、定評がある。
ただしこのシリーズは初級者向けではなく中上級者向けの参考書として定評がある。
内容が高度なので、初級者がいきなりこのシリーズを購入するのはやめた方が良い。
ただし2冊目の参考書として購入するのはいいと思う。
科目によってはとても詳しい解説がされているので、他の参考書では納得できなかったようなことも、これを読めば納得できることもある。
「内容が詳しくて良い」とは言ったが、科目ごとにばらつきがある。
参考書の著者を見てみると科目ごとに著者が違う、つまり科目ごとの良し悪しが分かれている。
私としては 電力はおすすすめできる、しかし 機械はあまりおすすめではない。
機械は内容が高度な割には、説明が少なく不親切で、中級者でも、ついていけない部分があると思う。
ページ数を見るとわかるが、次のようになっている。
電力は552ページ
機械は496ページ
他のシリーズ参考書では、電力よりも機械のページ数が多くなっている。
これは、機械のほうが範囲が広いので、そうなるのが当たり前だが、
完マスでは、電力のほうがページ数が多い。
つまり、電力の解説は詳しく、機械はそうでないことを表している。
シリーズ参考書は一冊買って内容が良かったからといって、他の科目も良いだろうと思うと意外にそうでもない。
著者が違う場合は、内容を吟味してから購入することを勧める。
また、内容が高度なので「電験2種を受験する人も使用する」という意見をよく耳にする。
したがって電験2種も視野に入れている場合は、この参考書を使うのがいいだろう。
アマゾンレビュー
理論
前版(改訂2版)よりすっきりして見やすくなったと思います。
電験三種では必要なさそうな微積分の式なども少し出てくるし、
難しく書かれていて要点がつかみにくい箇所も結構あるので、
問題演習と参考程度に眺める本という位置付けで使いました。
ある程度電気回路や電磁気の知識がある人なら再確認や練習を兼ねて有意義なテキストになるかと思います。
図も豊富に取り入れてあるためイメージしやすくなっておりました。
年々、理論科目の難度が上がってゆき、やはり完全マスターくらいのレベルをこなさなければ、と意を決して買いました。
本当は「合格一直線」を考えていたけど、あまりのコワモテさにこちらの完全マスターを選びました。
実は十年以上も前にこのシリーズの理論を買って持っているのですが、あれ?前より取っ付きやすくなってる?という印象があって再びこれを買ったのですが、十年前のものと内容が大きく変わったわけでもなく、フォントやレイアウトやカラー文字が多少見やすくなった程度です。
もちろん例題は大きく入れ替わっています。
難しいことをやさしく解説するのが良書だが、このシリーズは、難しいことを難しく書いていて不親切。
基礎が分かってる前提で書いてある。基礎が分かってたら、この問題集はいらない。
タイトルのとおり、初学者が教科書として独学で勉強するにはあまりお勧めできないと思います
初学者について配慮したような説明が巻頭に出てくるのですがあまりそうは思えませんでした。
基礎的な専門用語や電気現象についての説明が十分でなく、
それらをある程度理解している事が大前提となってる感が強いです
また、各単元ごとに出てくる例題は次章以降の内容を理解してないと解けない問題も多く、
構成をもっと変えたほうが良いのでは?と思うこともしばしば。
ただ、カバー範囲の広さと内容の深さでは他のテキストよりも圧倒的で、これ以上のものはないと思います。
よって、このシリーズは教科書としてではなく上を目指すための副読本的な使い方をするのが正しい使い方で、
メインで勉強する教科書はこれよりも難易度を落としたものを使うとちょうど良い組み合わせになると思いました。
完マスシリーズのレベルは高いが、そのレベルに合った人が使うと良い参考書として機能するようだが、やはり、初心者や初級者が使うにはハードルが高い参考書になる。
改訂について
2019年に改訂を行っているので、最近の試験内容にも対応できるだろう。
例題も新しい問題に入れ替えている。
改訂のおかげで、スッキリと見やすくなった部分も多い。
やはり、改訂しない古臭い参考書は売れなくなるので、出版社も努力をしているようだ。
例題(問題)の数
理論と法規の問題数は、少ない印象を受けるが、機械と電力の問題数はかなり多い。
少ない科目は過去問題集で補えばいいので、問題はない。
中級者レベル以上の参考書という位置づけにあるため、例題の解説、章末問題の解説は少ないので、あまりあてにしないほうがいいだろう。
初級者がこの解説だけで理解することは難しいと思う。
結論
2色刷りで、とにかく解説が多いので、細かい字でページいっぱいにびっしりと書き込まれている印象だ。
何度も言うようだが、中級レベル以上のための参考書になる。
したがって初級者は、他の参考書を使ってある程度理解した上で、この参考書を使うのがいいだろう。
基礎知識がある上で使う参考書としては、おすすめできる。