最近は立て続けにエネルギー管理士についての記事を書いたが、また電験三種の記事に戻ろうと思う。
さて、電験三種を初めて受験する人は一発合格か、科目合格か・・・
まずこの選択で悩むと思う。
しかし、電験参考書や過去問題集を購入して一通り眺めてみれば、そのどちらがいいかは自然とわかることだろう。
一発合格 or 2~3年かけて科目合格を目指すか?
これはその人のレベルと勉強開始時期、やる気、勉強に使える時間などで決まってくると思う。
電気知識のレベルを知る
まず一番重要なのは、その人のレベルだ。
電気科や電気工学科等を卒業している人は、もちろん一発合格を目指す能力は十分にある。
逆に言うと、それ以外の人が一発合格を目指すのは難しいと思う。
たまにYahoo知恵袋の電験三種に関するQ&Aを見ることがあるが、
『一発合格を目指すべき』または『短期間の勉強で一発合格できる』などの回答をたまに目にすることがある。
そのような回答をする者は、やはり電気を専攻したような人だと思う。
電気や数学が苦手な文系出身者が『短期間の勉強で一発合格できる』としたら、その人の頭の良さは、凡人とはかけ離れたものに違いない。
つまり、電気や数学が苦手な人が『一発合格を目指す』としたら、相当な努力をしないと難しいだろう。
一発合格を目指すのは危険か
このブログでも再三言ってきてはいるが、基礎ができてない者が、一度に4科目全てを習得しようとすれば、逆にどの科目の学習も中途半端に終わり、結果として全科目不合格も有り得る。
全科目不合格となったら、その挫折感は半端ないだろう。
そうなるくらいなら、最初から2科目か3科目に絞って集中的に学習をしたほうが成果は出やすい。
かなり昔の電験試験では科目合格が認められていなかったが、今は科目合格制度という恩恵があるので、それを最大限利用してもいいのではないだろうか。
電気工事士なら一発合格を目指すべきか?
以前にも言ったことだが、「第二種電気工事士、または第一種電気工事士にすでに合格しているから電気の基礎知識は十分にある」と言う者もいるかもしれないが、電気工事士なら実務的な電気の知識は十分ある。
しかし論理的な電気の知識は ほぼ無いに等しい。
電気工事士レベルでは、「実際にこういう事をやると危ないから、そのようなことはやらない」または「この場合は、このようにするべきだ」という知識は経験的に分かっていると思う。
しかし、「なぜそれを行うと危険なのか?」、その理屈を法則や数式を使って説明しろと言われても難しいだろう。
もしそれが説明できるレベルなら、一発合格は可能だ。
しかし一般的には、「電気工事士を取得しているから電気の知識は十分にある」とは思わないほうがいいだろう。
科目合格を目指すならどの科目
地道に科目合格を目指すとしたら、どの順番で受験するかが重要になる。
これは、
1年目は理論と電力、
または理論と法規、
または理論と機械がいいと思う。
もし自信があるなら理論と電力と法規の3科目を受験するのもいいだろう。
そして2年目は残りの科目と落とした科目を受験する。
「自信がないから、とりあえず1年目は1科目だけ受験する」という人もいるが、これは勧められない。
その科目に不合格になるならいいが、1科目だけ合格してしまうと2年目3年目がきつくなる。
そして、3年以内に4科目合格できないと、電験不合格のスパイラルにはまる可能性が高いからだ。
電験不合格のスパイラルは、この業界では有名なので聞いたことはあると思うが、何年経っても4科目合格を揃えることができずに、試験を何年も受け続けることだ。
これにはまると、
大抵の人はやる気を失くす・・・・、
そして合格を諦める
せっかく勉強を始めたのに途中でやめてしまう。これほど無駄なことはないだろう。
電験取得できないのなら、それまで勉強に費やした時間と労力が全て無駄になる。
そうならないためにも、受験する科目を選ぶことは重要だ。
初年度に法規のみを受験するのは
たまに「法規は勉強量が少なそうだから初年度は法規のみを受験する」という人もいるが、これも勧められない。
もし法規にだけ合格してしまうと、その後が大変になる。
2年目3年目に残りの3科目を受験することになるが、理論と機械は落としやすい。
3年目までに残りの科目を合格できなければ、初年度に合格した法規は無効になるので、そこから電験スパイラルにはまるか、やる気をなくして電験を諦めてしまうパターンもある。
1年目に法規だけを受験する・・・・・
これも やめたほうが無難だろう。